【医師解説】レチノール反応(A反応)が出たらどうする?赤み・皮むけ・ヒリつきの正しい対処法

【医師解説】レチノール反応(A反応)が出たらどうする?赤み・皮むけ・ヒリつきの正しい対処法

レチノール反応(A反応)とは?

レチノールとはビタミンA(ビタミン誘導体)で、主に、皮膚や粘膜を健全な状態に保ち、抵抗力を強めたりする働きがあります。


ビタミンAはヒトの体内では合成されず、豚レバーやウナギ、バターなどの動物性食品に多く含まれます。

体の中に入ったビタミンAは、脂肪とともに小腸から吸収され、ほとんどは肝臓に蓄えられ、そのほかは血液の流れによって心臓や肺、腎臓などの各組織に運ばれていきます。

 

ビタミンAは体のなかでは3つの活性型「レチノール・レチナール・トレチノイン(レチノイン酸)」として存在しています。

肌では、真皮の細血管から表皮にたどり着いたトレチノインが角化細胞を活性化させ表皮に厚みを出したり、角化細胞間や角質にヒアルロン酸などを沈着させやすくして表皮を水分で満たしていきます。

 

化粧品としては、レチノールを安定化させたレチノイド(ビタミンA誘導体)が使用されています。

レチノイドのうちパルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどのレチニルエステルと呼ばれるものは安定性が高く、肌への刺激が少ないためコスメに使われます。

レチノイドを肌に使うと、表皮でのヒアルロン酸の合成の促進やターンオーバーの促進、真皮でのコラーゲン産生の促進が発揮され、これらの効果はレチノイドがトレチノインへと変換されてから細胞内でその生理活性を発揮することが知られています。

 

ところが、ビタミンA(レチノール)の製品を使い始めると、赤くなったり、皮がむけて、ヒリヒリするといった症状が出ることがあります。

「自分には合わなかったのでは?」「アレルギー?」と不安になりますが、実はこの反応、肌にビタミンAが不足している人ほど起きやすいもの。

これは、“レチノール反応(A反応)”と呼ばれる一時的な反応で、レチノールの働きで一気にお肌のターンオーバーが進み健やかになろうとしている『適応反応』です。

 

レチノール反応(A反応)はなぜ起きる?

レチノールは、ターンオーバーを促進したり、肌の生まれ変わりを早める働きを持つため、肌が過剰に反応して一時的に炎症様反応が起こります。

これが、いわゆる「A反応」。

✔ 赤み、痒み

✔ 皮むけ、 乾燥

✔ 軽いヒリつき、敏感性

✔ ニキビ、吹き出物

は、比較的よくある初期反応です。

肌に十分なビタミンAが貯蔵されると、レチノール反応も治まっていきます。

 

まず確認!その症状は「正常な反応」?「アレルギー」?

うっすら赤い、部分的な皮むけ、乾燥感が強いなどの症状なら、対策しながら継続可能です。

 

【セルフチェック:今すぐ中止すべきサイン】

・患部がジュクジュクしている

・強いかゆみや、熱を持って腫れている

・水ぶくれができている

使用中止+医師に要相談を!


反応が出た時の「4つの鉄則ルール」

①使用頻度を落とす(ゼロにしない調整術)

まずは、使用量を減らす、毎日使用していた場合は、週2〜3回にする。

「ゼロか100か」ではなく、使う量や頻度を調整するのが正解です。

 

②保湿を「炎症ケア」に切り替える

反応時は、保湿で炎症コントロールを

まずは「守る → 直す」この順番を意識してください。

 

おすすめの組み合わせ例:

エンビロン スーパーモイスチャライザー

   →なんと言っても、まず保湿強化⤴️

 高機能保湿成分のペンタバイティン、リバイドレイドなどにより、最長72時間保湿💧

ラロッシュポゼ シカプラスト リペアクリームB5

→ 赤み・ヒリつきがある時に、肌を保護して抗炎症⤴️

 世界中の皮膚科医が、肌の修復を早めるために推奨するシカクリームです☺️

 

③ 刺激物を一時カットする「引き算の美容」

反応が出ている間は、刺激になりうることを中止しましょう。

❌ ピーリング
❌ スクラブ
❌ ビタミンC高濃度
❌ 摩擦・マッサージ


紫外線対策(色素沈着を防ぐ)

反応中の肌は、紫外線に非常に弱い状態です。

日焼け止めはもちろん、日除け対策をしっかり心掛ける。

ここを怠ると色素沈着の原因になるので予防必須なのです。

▶︎敏感肌におすすめの日焼け止め製品はこちら[レカルカ ピュアモイストUVミネラル

 

再開のタイミングと方法

肌の赤み・ヒリつきが落ち着いたら、段階的にレチノールをもどします。

・週2〜3回から徐々に回数を増やす

・使用量を米粒〜小豆大の量へ漸増していく

・目周り・口周りなどの皮膚が薄いところに塗るのを避ける

👉 「少なすぎる?」くらいから増やしていくのがちょうどいいです。

 

レチノール反応を起こしにくくする予防策

✔ 低頻度・低刺激から始める

初期は週2〜3回、夜のみが基本。

✔ 肌の調子が悪い日は使わない

寝不足・日焼け後・体調不良時は、迷わずスキップ

✔ 保湿が足りてから塗る

乾いた肌にいきなり塗らず、化粧水→軽い保湿→最後にレチノール

刺激が不安な方は、保湿クリームを塗った後にレチノールを塗る、あるいは混ぜて使う『サンドイッチ法』から再開しましょう。

 

よくある誤解

❌「反応が強いほど効いている」

間違いです。効いている=痛い、ではありません。

❌「一度反応が出たら使えない」

ほとんどの場合、再開できます。

 

レチノール反応は“調整すれば怖くない”

レチノール反応は、スキンケア選びの失敗や、肌に合わないアレルギーなどではなく、弱っている肌が変わろうとしているサインです。

正しく対処すれば乗り越えられるので、焦らず、じっくりと肌の声を聞くことが重要。

 

「攻める日」と「休ませる日」を使い分け、保湿の力を借りたり、量を調整して皮膚を徐々に慣らしていくことで、レチノールは最強の味方になります。

トレチノインを用いた肌治療プログラム中に起きるレチノール反応も、同じ対応で急性反応を切り抜けられるので、これらの対応法を覚えていただくと有用です。

 

ただし、エンビロン、ゼオスキンヘルス、レカルカ、At.skinなど、全てのレチノール製品の使い始めの時に反応かどうかの判断に迷う場合は、自己判断で続けず、必ず当院へご相談ください。

敏感肌の方の中には、刺激が強すぎて赤みが残ることがあり、継続使用をおすすめできないことがあります😞

 

レチノール反応を起こさない始め方についてはこちらをご覧ください▶︎[エンビロン初心者ガイド]

次回のコラムは、レチノール反応や敏感な肌状態では○○○○○○を見直す、というお話です。▶︎[乾燥肌の洗いすぎに警告]

 

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